2026年7月15日
こんにちは!日々たまっていく業務メモと格闘しているOです。今回の技術ブログでは、私が普段の業務で抱えている「メモはあるのに探せない・活かせない」という不満と、それを Claude Code と Obsidian の組み合わせで解決した話をご紹介します。
業務のメモや調査結果、会議の記録。書き残してはいるものの、「どこに書いたか思い出せない」「過去の自分の調査を活かせず、また一から調べてしまう」——そんな経験はないでしょうか。私はまさにこれの常習犯でした。せっかく時間をかけて調べたことが、数ヶ月後の自分にまったく引き継がれていないのです。
この状態を抜け出すために、私は日々の業務ノートを Obsidian(markdownベースのノートアプリ)に集約し、その整理を Claude Code(ターミナルで動くAIコーディングアシスタント)に手伝ってもらう運用を数ヶ月続けてきました。本記事では、この組み合わせが想像以上に快適だった理由を、実際の経験を交えてお話しします。
先に結論からお伝えします。
ノートをmarkdown(プレーンテキスト)で貯めておくと、AIに「フォルダごと」渡せます。
AIは人間と同じようにノートを読み、関連ノートをたどり、整理の手まで動かしてくれます。
ポイントは、AIのために特別なデータベースやツールチェーンを用意する必要がないことです。普段から人間が読み書きしているノートが、そのままAIの読める知識ベースになります。なぜそう言えるのか、私の構成と一緒に説明していきます。
使っているのは次の2つだけです。役割をはっきり分けているのがポイントです。
| ツール | 役割 |
|---|---|
| Obsidian | 書く・貯める。ノートはすべてmarkdownファイル。フォルダは「未分類の受け皿」「進行中の作業メモ」「長期保存のナレッジ」の3層に分け、各カテゴリには目次ノート(MOC: Map of Content)を置く |
| Claude Code | 読む・整理する。Obsidianのフォルダ(=ただのmarkdownの集まり)を直接読み書きできるAIアシスタント |
フォルダ構成のイメージは次のとおりです。
vault/
├── inbox/ ← 未分類の受け皿(とりあえず放り込む)
├── work/ ← 進行中の作業メモ
│ └── MOC.md ← このカテゴリの目次ノート
└── knowledge/ ← 長期保存のナレッジ
└── MOC.md ← このカテゴリの目次ノート
実際に運用してみて「これは相性がいい」と感じた理由は、大きく4つあります。
ExcelやWordのファイルは、AIに内容を渡すために変換や貼り付けの一手間が要ります。markdownはその手間が一切ありません。「このフォルダの設計メモを読んで要約して」という指示がそのまま通ります。
ノート1枚が数百行程度に収まっていると、AIは必要なファイルだけを選んで読めます。巨大な1ファイルに全部書くより、小さく分けて貯めるほうがAIの精度も応答速度も上がる、というのが実感です。
Obsidianのリンク記法 [[ノート名]] で関連ノートをつないでおくと、AIはリンクをたどって文脈を広げてくれます。目次ノート(MOC)を起点に「このカテゴリの全体像を把握してから作業して」という指示が効くようになります。
フォルダの役割や命名規則、タグの付け方を1枚のルールノートに書いておくと、AIはそれを読んで整理方針に従ってくれます。「人間向けのルールブック」がそのまま「AIへの指示書」になる——ドキュメントと設定が一体化する感覚は、プレーンテキストならではです。
抽象的な話だけだとイメージしづらいので、私が日常的にAIに任せている整理作業を3つ紹介します。
とりあえず inbox/ に放り込んだメモが溜まったら、「中身を読んで適切なフォルダに振り分けて」とAIに依頼します。ファイル名と冒頭だけでなく内容まで読んで判断してくれるので、人間がやるより丁寧なこともあります。
ノートが増えると目次が現実とズレてきます(リンク切れ・載せ忘れ)。この突き合わせ作業をAIと一緒に仕組み化し、毎回の作業開始時に自動チェックが走るようにしました。「整理した状態を保つ」ことこそAIの得意分野でした。
新しい調査を始める前に「このテーマ、過去のノートに関連する記録がないか探して」と聞くと、数ヶ月前の自分の調査メモを掘り出してくれます。書き溜めたものが本当に資産になる瞬間です。冒頭で書いた「また一から調べてしまう」問題が、ここでようやく解消されました。
もちろん最初からうまくいったわけではありません。運用しながら見つけたコツを3つ挙げます。
とくに1つ目は重要です。AIは「決めたルールに従う」のは得意ですが、「ルールそのものを察する」のは苦手です。下のような短いルールノートを1枚置いておくだけで、振り分けの精度がぐっと上がりました。
# 整理ルール
- inbox/ は未分類の一時置き場。週に一度、内容を読んで振り分ける
- work/ は進行中の案件メモ。完了したら knowledge/ へ移動する
- ファイル名は「YYYY-MM-DD_テーマ.md」で統一する
- 各カテゴリの MOC.md に新規ノートへのリンクを必ず追加する
今回の構成では、責務を以下のように分けました。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| ノートを書く・貯める | Obsidian(markdown) |
| フォルダ・リンクで構造を持たせる | Obsidian(markdown) |
| 未分類ノートの振り分け | Claude Code |
| 目次(MOC)のメンテナンス | Claude Code |
| 過去ノートの検索・再利用 | Claude Code |
特別なツールチェーンを組まなくても、「markdownで書く」「フォルダとリンクで構造を持たせる」だけで、ノートはAIと共有できる知識ベースになります。最大のポイントは「AIのために特別な準備をしない」こと。普段づかいのノートをそのまま渡せる手軽さが、この組み合わせを長続きさせてくれています。
皆さんもまずは普段のメモをmarkdownで書くところから、「AIに見せられるノート」を育ててみてください。ちょっとした不満が、AIと一緒だと意外なほどあっさり片付くことに気づくはずです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。