2020年10月20日
9月25日、第17回目の勉強会が開催されました。
今回のテーマはどちらもsalesforceがらみのテーマ、「Einstein Analytics」と、「lightning componentについて」です。今回も大変勉強になりました。
「Einstein Analytics」は、Salesforce上でAI分析ができるツールです。操作も簡単なので、Salesforceに取り込まれたデータをすぐ分析に活用することができますし、外部データの取り込みまでもできてしまいます。一般的な利用の流れは以下の通りです。
セールスフォースデータ、もしくは外部データからデータセットを作成
↓
データセットからグラフを作成
↓
アプリケーションなどを作成
Einsteinの詳細を、利用の流れに沿って簡単に見ていきましょう。
1、アプリケーション
分析のデータ、グラフなどはアプリケーション単位で管理します。空白から、またはテンプレートを利用して、アプリケーションを作成できます。
2、データセット
データセットを作成する機能です。
(1)外部データ
データマネージャから新規データセットを選択し、データセットを作成します。
(2)データフロー
フローを設定し、データセットを自動で作成することもできます。
(3)レシピ
データフローとほとんど同じですが、列の処理方法の提案や欠損値予測など、独自の機能もあります。こちらは既存のデータセットのみからデータセットを作成可能です。
3、レンズ
わかりやすいUIで、データからグラフを作成することができます。
4、ダッシュボード
こちらもデータの視覚化機能です。データを絞り込み、絞り込んだデータのグラフなどを自動で生成できます。
5、ストーリー
データを基にした分析・予測機能です。好きな項目を選び、目的として最大化もしくは最小化を選択すると、自動で分析をしてくれます。
具体的には、「何が起きたか」、「なぜそれが起きたか」、「何が起きる可能性があるか」、「相違点」、という4つの観点で分析が行われます。
(1)何が起きたか
過去に何が起きたか、の分析。統計的分析によって、様々なインサイトを確認できます。
(2)なぜそれが起きたか
どの要素が目的に貢献している、あるいは足を引っ張っているか、ということについて、さらに詳細に表示します。
(3)何が起きる可能性があるか
どの項目を変更すると、目的にどう影響するか、ということを示してくれます。目標達成のためにどの項目をどう変更すべきか、改善方法も推奨してくれます。
(4)相違点
2つの項目の関係性を表示します。
噂には聞いていましたが、便利な機能ですね!
Lightningコンポーネントとは、Salesforce1 Platform上で画面(UI)を構築する技術です。
かつてはSalesforce Classicしかありませんでしたが、2015年に、デザイン面、機能面ともに一新されたLightning Experienceが発表されました。現在は両者が共存している状態です。Lightning Componentは、このLightning ExperienceにおけるUIの構築に使われる技術です。
UIをコンポーネントとして作成することができ、複数のコンポーネント化したUI部品をレゴブロックのように組み立てることで、あらゆるデバイスに対応するアプリケーションを簡単に構築できるのが特徴です。
1、 Lightningページとして利用
標準コンポーネントやAppExchangeサイト、開発をしたカスタムコンポーネントをLightningアプリケーションビルダーで組み合わせることで、Lightningページを作成します。Lightningページには以下の3種類があります。
(1)アプリケーションページ
Lightning Experience(以下LEX)とSalesforce1で使用可能な1ページのアプリケーションです。
(2)ホームページ
LEX ホームページ。アプリケーションページと同様に、Lightningアプリケーションビルダーで変更できます。
(3)レコードページ
オブジェクトのレコードページ。ホームページと同様に、Lightningアプリケーションビルダーで変更できます。
↓ 取引先オブジェクトのレコードページに、標準詳細コンポーネントの代わりに開発した「入力項目を複数列で配置したコンポーネント」を配置
2、Lightningコンポーネントタブとして利用
Lightningページの一部ではなく、1つのLightningコンポーネントをタブに表示して利用します。
3、Lightningアクションとして利用
Lightningコンポーネントをアクションとして実行します。尚、アクションには2種類あります。
↓開発した「商談登録コンポーネント」をアクション実行時に呼び出し
(1)グローバルアクション
Salesforce1アプリケーションにおいて、詳細ページ、ホームページ、およびChatterタブで使用できるアクションです。LEXでは使用できません。
(2)レコードページのアクション
各オブジェクトレコードに表示されるアクションです。レコードとの自動的な関連付けを行うことができ、レコードの作成または更新、活動の記録、メールの送信などの操作を特定のオブジェクトのコンテキストですばやく行うことができます。
4、Lightningアプリケーション
Salesforce Classicの時と同様にカスタムアプリケーションをLightningでも作成できます。そのカスタムアプリケーションを1から全て開発を行うことで、LEXとは異なる動作やUIを構築することも可能です。
5、Visualforceページに埋め込み
VisualforceページにLightningコンポーネントを埋め込むことが可能です。
Lightningコンポーネントには2つの大きく異なる実装方法があります。
1つ目はAura Component(Aura)で、アプリケーションの自己完結型の再利用可能なユニットです。洗練されたUIを備えたアプリケーションを構築できます。
2つ目はLightning Web Component(LWC)で、コアWebコンポーネント標準を使用し、Salesforceでサポート対象のブラウザで適切に動作するために必要な機能を提供できます。
AuraとLWCとの関係は以下の図のようになっています。
AuraコンポーネントとLightning Webコンポーネントは共存および相互運用でき、同じ高レベルのサービスを共有します。
・AuraコンポーネントとLightning Webコンポーネントは同じページに共存できます。
・AuraコンポーネントにはLightning Webコンポーネントを含めることができます。
・AuraコンポーネントとLightning Webコンポーネントは、同じ基本Lightningコンポーネントを共有します。基本Lightningコンポーネントは、すでにLightning Webコンポーネントとして実装されています。
・AuraコンポーネントとLightning Webコンポーネントは、同じ基盤となるサービス(Lightningデータサービス、ユーザーインターフェイスAPIなど)を共有します。
ちなみに、Auraコンポーネントの中にLWCを含めることはできますが、その逆(LWCの中にAuraコンポーネントを含める)はできないので、注意が必要です。
LWCを使う上で必要なものは以下の通りです。
・Developer Edition(DE)
・Salesforce CLI
・Visual Studio Code(VS Code)
LWCはAuraと違い、Salesforce内の開発者コンソールがまだ使えません。そのため、LWCではVisual Studio Codeを利用して開発を行う必要があります。
個人的には、Lightning ExperienceはSalesforce Classicよりとても使いやすいと感じています。これからもっと需要が出てきそうなので、Lightning Componentを基礎から勉強してみたいと思いました。